フッ化水素を使用するときの注意点を知りたい

フッ化水素酸が皮膚にかかることによりおこる化学熱傷では、表面だけでなくフッ化水素が体内組織に深く浸入し、重篤な症状を示すことがあります。特にかかった部位が広いと皮膚から吸収された後に体内のカルシウムとフッ化水素反応し、急性カルシウム血症により致命的な全身障害(低カルシウム血症により心室細動を起こし心停止に至る)をおこすこともあります。かかった直後には自覚症状がなくても、皮膚から浸入したフッ化水素酸が骨に達し、数時間後に痛み始めることもあります。このような理由により、たとえ希薄でもフッ化水素酸から発生するフッ化水素ガスを吸入したり、フッ化水素酸に接触したりすることのないよう、格段の注意が必要です。

フッ化水素を使用するときの注意点を知りたい

神戸大学では、フッ素を使用する研究室に対して、フッ化水素酸の使用に関する注意事項および事故対応マニュアルを作成し配布しています。また、応急処置に使用するグルコン酸カルシウム軟膏の配布を行っています。使用する場合にはあらかじめ各研究科総務課総務グループに連絡の上、事故対応マニュアル・軟膏とも交付を受けておかなければなりません。軟膏は一度でも開封した場合は、新しい軟膏と差し替えるため、その場合も速やかに連絡を行う必要があります。一年に一回、新規の軟膏が配布されるため、各使用場所で確実に先入れ先出しの管理をする必要があります。

工学研究科安全の手引きより引用(一部編集)