科学技術
イノベーション研究科

Science, Technology and Innovation

プログラム実施の背景
および目的

  • 科学技術と現代ビジネスの融合

    現代のビジネス界では、科学技術の進歩が目覚ましく、この進歩に伴う高度化と複雑化が進んでいます。こうした環境で、社会に革新的な価値をもたらすためには、研究開発からビジネスモデルの構築までを手掛ける「科学技術イノベーション人材」が欠かせません。そこで今、「科学技術イノベーション人材」を育成するためのリカレント教育に注目が集まっています。

    本研究科が提供するリカレント教育学位プログラムでは、ディープサイエンスやディープテックといった分野での研究開発力(例えばバイオプロダクション、先端膜工学、先端IT、先端医療学)と、起業家精神や事業戦略、財務戦略、知的財産管理といった事業創造力を兼ね備えた「科学技術イノベーション人材」を育成します。本プログラムにより、企業の長期的な成長に欠かせない革新的なアイデアを生み出す人材を創出します。

    このプログラムは異分野共創を掲げる神戸大学において、多様な学問領域における教育と研究に加え、長年にわたる「科学技術イノベーション人材」の育成に特化した本研究科だからこそ実施できる取り組みです。

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本プログラムの特徴

自分自身や企業が直面している固有のビジネス課題を解決するために必要なスキルや知識は、一人ひとり異なります。本研究科では個人のニーズに細かく対応し、企業の多様な課題に個別に対応するため、「オーダーメイド型」のリカレント教育学位プログラムを開発しました。

  • 企業ニーズに応えるオーダーメイド型リカレント教育プログラム

    企業が社員を大学に派遣する際、長期間の在籍が必要となり、また一般的なカリキュラムが企業の特定のニーズにどれだけ合致するかが常に問題となってきました。特に、研究開発や事業推進、経営に直接貢献するかどうかの判断は困難です。

    このような背景を踏まえ、本研究科では企業の個別の要望や社員のキャリアパスに応じて、多様な学位課程をマッチングするオーダーメイド型のアプローチを採用しています。このプログラムは、新分野での博士の学位取得、異なる分野での修士の学位取得、または再学習の機会として、企業や社員の特定の課題に対応するための柔軟性を持って設計されています。これにより、研究開発から始まり、事業推進の力を養うためのオーダーメイド型の学位プログラムを実施することが可能となります。

  • オーダーメイドで実現する、柔軟な学習体験
    • 課程と就学期間のカスタマイズ

      当プログラムでは、博士課程における「前期」「後期」「前後期」の三つの履修期間のいずれかを選択できます。前期課程は知識習得に焦点を当て、後期課程では研究活動が中心となります。博士課程全体を通して学ぶ場合、最短4年での博士の学位取得が可能です。

      後期課程では、まず「先端研究」と「事業化」の両面で成果を出した後、博士論文(先端研究成果)とイノベーション・ストラテジー研究成果書(事業成果)の作成に取り組みます。

    • 研究トピックの設定

      受講者の経験や専門性に基づき、最適な研究トピックを設定します。

      既存の学位プログラムをベースにしつつ、各受講者に合わせたカリキュラムを構築します。

      前期課程の教材は一部オンラインかつオンデマンドで提供され、入学前に受講することが可能です。これらのコンテンツは単体で、社員のリカレント教育促進のための企業研修にもご活用いただけます。

    オーダーメイド型プログラムを支える3つの柱
    • 入学前の
      個別審査スキーム

      企業が掲げる人材養成ビジョンに基づいた推薦状と、推薦者の専門性、経験、業績、取得した学位や履修科目などを詳細に検討します。これにより、理系研究トピックおよび学位コースを個々のニーズに合わせて選定することができます。

    • メタバースを利用した
      リモート研究環境

      最先端の実験環境をメタバース内に再現するデジタルツイン技術を導入しています。これにより、最新の研究手法や実験機器に関するリカレント教育を提供し、仮想空間で実際の実験データを取得する新しい学習体験を実現します。

    • eラーニング形式
      コンテンツの拡充

      事業創出の基盤となるアントレプレナーシップに関する講義を、オンラインかつオンデマンド形式で提供します。事業戦略や財務戦略に関する内容は、日本語と英語の両方での配信を行い、より幅広い受講者のニーズに対応します。

本プログラムの対象者像

本プログラムは、最先端のテクノロジーを扱う企業や研究開発機関で活躍する理系人材を主な対象としています。例えば、バイオ工学、創薬、量子技術といった将来の成長分野を新たなビジネス領域として展開しようとする方々、または高性能素材、バイオマテリアル、電子部品、半導体などの産業基盤技術に携わる専門家が該当します。

  • 中堅研究者

    #30代 #40代
    #一定の研究実績あり
    #リーダー候補者

  • 最先端テクノロジー

    に関わる人

    #高性能素材
    #バイオマテリアル
    #電子部品
    #半導体

  • 新規事業を
    推進する人

    #事業創出部門へ異動予定
    #社内ベンチャー立上げ希望
    #ステップアップ転職希望

特に、一定の研究開発実績を持ち、新規事業の開拓と価値創造を推進する意欲のある35-45歳の理系人材を想定しています。これらの専門家にとって、本プログラムは自身のキャリアをさらに発展させるための絶好の機会となります。

受講者の声

  • 自身の学び直しもこれから継続的にしていきたいし、会社としても継続的に人を派遣し、学ばせたいと思える講義であった。
  • 企業に勤める身としては必要な知識であるが、なかなか今まで触れてこなかった分野について勉強することができて非情に有意義だった。
  • 理論と先生の実践知が融合した内容で、本で自主学習したときに比べて実際の事業をイメージしながら受講できて理解度が上がった。
  • 種々の選抜研修を受講してきたが、最も具体的・実践的な研修であったと感じ、大変勉強になった。