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地域連携活動発表会

<地域に根差す都市安全オープンセンター>
発表者:都市安全研究センター・准教授 吉田 信之

阪神・淡路大震災を機に、その翌年の平成8年に都市安全研究センターが設立された。オープンセンターは、社会貢献の一環として、平成13年度から当センターの実験棟や研究棟を会場にして、研究・調査活動を大学周辺の市民の皆様に公開するということで始まった。開催に当り実行委員会を設けて、センターの教職員が一丸となって企画から準備、実施まで全て行った。その後、平成18年度のセンター改組、新しい研究体制になったことを契機に、地元自治体との連携による開催となった。そして今年度、学内公募による地域連携推進事業に採択された。

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今年度は、灘区役所と共催の公開講座と、神戸市役所との共催で「見て、聞いて、触れる型のイベント」の2事業を行った。公開講座は、対象を一般成人とし、防災と減災に関する講演とパネル展示という内容であった。一方、イベントの対象は一般成人から小学生の低学年まで、内容はミニ講習会、教室、講演会、実演・体験できるようなコーナーやパネル展示であった。

防災・減災に関する公開講座は、募集80名のところを参加者82名という盛況であった。センター紹介、講座1「土砂災害対策の変遷-土砂災害を少なくするために」、講座2「密集市街地の街区レベルの防災-地域消防力によるソフト対応とハード改善」、質疑応答、閉会の挨拶の後、場所を移してパネル前で意見交換を行った。質疑応答では講師の先生も一瞬たじろぐような質問もあり、非常に活発に議論が行われた。参加者は、アンケートによれば、56歳以上が8割近く、灘区在住の方が8割近くであった。また、内容については7割位の方が「分かりました」と好意的な回答で、82%の方が「また来たいと思う」ということであった。

イベントでは、ステージ上でミニ講演会「あなたの住まいは地震が来ても大丈夫ですか?」、ミニ教室「地震時の宅地防災への備え」、ミニ講習会「一般市民のための救急蘇生法 - AEDの操作を体験 -」を行い、並行してフロアでは都市安全研究センターで行われている研究・調査活動、神戸市役所や灘区役所が取り組んでいる安全安心に係わる活動を紹介するパネルの展示を行い、それらについて実演したり体験できるコーナーを設けた。アンケート結果では約70%の方が「また来たい」と概ね好評であった。ミニ教室が最も印象に残ったとの回答を得て、体験コーナーでは液状化実験、活断層の実体視、地盤変形シミュレーションなどが好評であった。

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今回の経験を活かすために、現在、来年はどのようにしていくか、オープンセンターのあり方も含めて検討しているところである。誰を対象にするのかだけでなく、地元に根ざす前に学内に根ざすことが必要ではないか、効果はどの位あるのか、労力が見合うのかなど、様々なことを議論している。

今回、各事業の広報に、神戸市の協力を仰いだ。共催ということで公開講座では、灘区役所が『広報なだ9月号、10月号』に掲載していただき、灘消防署は防災福祉コミュニティへの回覧をしていただいた。神戸市役所では、イベントのお知らせを神戸新聞の折込広告や『広報こうべ11月号』のお知らせ欄で広報していただいた。センターはポスターとチラシを作成・配布し、センターのホームページに掲載した。また、これまでの参加者にダイレクトメールを送り、参加を呼びかけた。

今回、オープンセンターの開催では様々な方々のご支援を賜わった。特に、神戸市大学連携支援室、神戸市都市計画総局住宅部住宅政策課、神戸市消防局警防部救急救助課、神戸市消防局中央消防署、神戸市灘区役所まちづくり推進部、神戸市灘消防署、神戸ハーバーランド情報センターの皆さんにたいへんお世話になった。心より感謝している。

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