オンラインでの交流がタイへの興味、そして留学へ繋がった

国際人間科学部
グローバル・スタディーズ・プログラム(GSP)
山田 加奈子
グローバル・スタディーズ・プログラム
学部生全員が国内外でのフィールド学修に参加する実践型教育プログラムです。
海外コースと国内コースの2つが設定されており、期間、内容、場所も多彩な個別プログラムの中から自らの学習計画に応じて選択できます。
参加したプログラムについて教えてください
私が参加したのは、「【オンライン】GSP実践型:文化発信としての言語教育・言語学習:海外大学日本語学科へのオンライン・インターン・プログラム」です。このプログラムの中では、タイのウボンラチャタニ大学の日本語学科の学生さんの授業に、TAのような立場で参加しました。扱うトピックは「タイと日本の遊び」「タイと日本の異性装」など、各週さまざまでした。トピックに関して、タイの学生さんと簡単な日本語の会話練習を行い、最後の週には、神戸大の参加者が考えて授業を作るなど、オンラインながら、多くの経験をさせていただきました。
参加プログラムを選んだきっかけは?
東南アジア圏への関心が元から強かったのが理由です。大学入学のずっと前から、とにかく留学はしたいと思っていました。しかしコロナ渦で、留学に行けるのは少なくとも3年次以降だと予想されていたので、2年生の間は、今の自分にもできる形で、海外と繋がりを作ってみよう、と考え、履修を決めました。タイの現地学生さんと交流できる機会が多そうで、日本語学習にも、当時履修していた別の授業から関心を持ち始めていたので、このプログラムは私にはぴったりでした。

プログラムに参加してどんな力が身につきましたか。
自分の文化を絶対視せず、相手の文化を理解する姿勢が一番身についたと考えています。GSPプログラムでは、自分の関心のあるグローバルイシューを設定し、研究を進める機会がありました。私はその中で、タイのボーイズラブ(BL)作品と現実の同性愛の関係について調査しました。アンケート調査をする中でも、まずは誠実に文化の違いに向き合い、理解しようと努めました。この経験を通じて、自分の価値観だけで物事を判断せず、多様な視点を受け入れる柔軟な思考力も身についたと感じています。この力は、後のタイ留学でも現地の文化を理解し、適応する際に活かされました。
プログラムの中で一番苦労したことは?
やはり、言語の違いがある中で、お互いの意図を汲み取るのが難しく苦労しました。現地の学生の日本語能力には個人差があり、意図した内容が正しく伝わらないことも多々ありました。ですが、どうすれば簡単な日本語で言い表せるだろうか、と試行錯誤しながら、自分の扱う日本語を相対化して見直し、難しい言葉遣いを言い換えるなどしました。また、趣味は国境を越えるもので、好きな漫画の話や日常の悩みを共有するうちに、お互いに打ち解けることができました。

このプログラムを履修して一番影響を受けたと感じることは?
やはり、圧倒的にタイへの関心が強くなりました。もともと留学に行きたいとは思っていたものの、どの国に行くか決められなかった当時の私に、「タイ」という明確な目的地を与えてくれたのがこのプログラムでした。現地の学生と交流する中で、タイでは日本よりも性の多様性が認められ、異性装にも寛容な雰囲気があることを知り、自分の目でタイを見てみたいと感じました。さらに、プログラムを通じて仲良くなったタイの学生たちに「実際に会いに行きたい!」と思うようになり、それが私の留学への強いモチベーションにつながりました。

この学びを今後どのように生かしたいと考えていますか?
本プログラムで得た学びが、その先に経験したタイへの交換留学に直結しましたし、そこで得た経験全てを、今後の人生に活かしていきたいです。
実は、将来は、タイにゲストハウスを建てることが夢なのです。これは、恥ずかしがらずに、自分の夢をまっすぐに語るタイの人々に影響されたからこそ、持てた目標です。タイは、私に新しい価値観を教え、成長の機会をくれた場所です。だからこそ、多様な文化を持つ人々が集まり、交流できるゲストハウスを作ることで、今度は私がタイと人をつなぐ存在になりたいです。
これから神戸大学を受験する生徒たちにメッセージをお願いします。
今、皆さんの目の前にはどんな世界が広がっているのでしょうか?海外のニュースを聞いて好奇心を膨らませたり、好きなことに夢中になったりしているでしょうか。ぜひ、今のその感性を大切にして欲しいと思います。
大学に入ると、世界にアクセスする手段がぐっと増え、意外とグローバルな世界は、手を伸ばしたすぐそこにあると実感できるはずです。興味のあることや行きたい国があるなら、思う存分挑戦し、自分の世界を広げてください。
大学には、人生を豊かにするワクワクと出会いがあふれています。皆さんが神戸大学で、自分だけの宝物を見つけられることを楽しみにしています!