法学・経済学双方の知識が身につき、考え方の幅が広がった

法学部
法経連携専門教育(ELS)プログラム
辻 薫子
法経連携専門教育プログラム(法学部/経済学部)
エコノリーガル・スタディーズ(ELS)
法学・経済学の両方の素養を法学部/経済学部2年生から標準2年間で身につけられるようにデザインされた小人数教育中心のプログラムです。
法学・経済学双方の知識と見方による複眼的視点を武器にしながら、今日生じている多くの現代的社会問題を解決する力を有する学生を育てるための体系的教育を行っています。
法経連携専門教育プログラムについて教えてください。
法学部および経済学部の学生が参加できるプログラムで、法学・経済学双方の知識と見解を学び、社会問題を解決する力を身につけていくプログラムです。
個々の学びとして、両学部の開講科目から指定された科目を選択し、履修します。また、演習では、自分が興味・関心をもつテーマを選択し、少人数のグループで同じ文献を読み進めながら、互いの意見や解釈を議論したり、プレゼンテーションを体験したりすることで、知識や技術を高めていきます。
最終的には個人で研究テーマを決め、修了論文を執筆します。

法経連携プログラムを履修しようと思った理由は?
本プログラムを知ったのは、高校2年生で神戸大学のオープンキャンパスに参加した時です。
当時は受験する学部も明確ではなく、経済学に興味はあるものの、法学も学びたいという気持ちを持っていました。そのため、法学も経済学も学べる本プログラムは、非常に魅力的でした。
法学部に入学した直後から本プログラムの履修を見据えて学習し、1年後期からはミクロ経済学基礎を履修して、2年次に備えていました。

プログラムに参加してどんな力が身につきましたか。
法学では、さまざまな問題の解決のために、法律をどう適用するかを学びますが、経済学は数理的手法をはじめ、客観的思考を重視する学問です。まず、学問による考え方の違いを知ることをできたことが大きかったです。
また、私が興味を持っている雇用や女性活躍推進などの社会問題には、法律はもちろん、さまざまな経済的要因が大きく関わっており、その両面を学べたことは非常に価値があると思います。
特に、3年生前期の問題解決実践研究では、法学部の学生2名と経済学部の学生1名のグループで論文執筆に取り組みましたが、法学部生だけでは難しい数値やデータを根拠とした事象分析に取り組み、法学・経済学の知識を融合させることの大切さを感じました。
プログラムの中で一番苦労したことは?
3年生後期に行う修了研究での論文執筆です。「両立支援制度とポジティブアクションから見た女性活躍推進施策の効果」というテーマでしたが、それまで経済学的な実証分析に一人で取り組んだ経験がなかったため、大変苦労しました。
執筆した論文に対して、法学・経済学両方の先生から指導いただくという過程を何度も繰り返し、何とか形にすることができました。法学の考え方に加えて、数値やデータを取り入れた論拠ができたことで、困難ではありましたが、プログラムを履修した成果を出すことができたと思います。また、3年次に自分の研究テーマを持ち論文執筆を経験したことで、就職活動就活でも自分の研究成果のアピールにつながりました。

このプログラムを履修して一番影響を受けたと感じることは?
ぼんやりとしていた問題意識が、法学・経済学の両側面から問題を捉えることで、かなり鮮明化されました。
また、経済学部の学生の研究発表を聞く機会も多く、経済学的な視点から見た社会問題について、多様な見解を知ることができ、考え方や物事の捉え方の幅が広がりました。
この学びを今後どのように生かしたいと考えていますか?
地元の広島で電力会社への就職が決まりました。そこで女性管理職に就きたいというのが大きな目標です。また、本プログラムの履修を通して人事の仕事に興味を持ち、配属先として人事部を希望しました。
今後は勉強したことを生かして、女性管理職の積極的な登用や人事制度の設計や立案などに寄与できればと考えています。

これから神戸大学を受験する生徒たちにメッセージをお願いします。
私のように、勉強したいことが明確でない、また、さまざまな社会問題に興味のある方にとって、本プログラムの履修は、とても価値があると思います。
また、法学・経済学の両学部から複数人の先生に指導、サポートしていただけます。この大変恵まれた学習環境の中で、法学的・経済学的双方の考え方を学び、幅広い知識や思考を身につけていただきたいと思います。