経済の専門性と国際感覚を磨いた5年間

経済学部
一貫経済学国際教育プログラム(IFEEK)
八木 千尋
IFEEK(経済学部)
International Five-year Economics Education Program at Kobeの略で、5年一貫経済学国際教育プログラムです。
海外協定大学での学びを組み合わせ、英語で経済学を使いこなす力を身につけるための特別教育プログラム。専門性としての経済学の知識、専門性を活かすための国際性を重視し、日本語と英語の両方を用いた教育を行います。学部および大学院博士課程前期課程を最短5年間で修了することを目指しています。
IFEEKについて教えてください。
IFEEKは、神戸大学および海外協定大学での学びにより、英語で経済学を使いこなす力を身につける特別教育プログラムです。専門性として経済学の知識を学び、それを活かすための国際性を身につけるため、授業は日本語と英語の両方を用いて行われます。
国際性に特化したプログラムは他大学でも見かけますが、IFEEKは国際性に加え、経済の専門性を同時に向上させる神戸大学独自のプログラムです。また、経済学の知識と英語を効率よく学習でき、博士課程前期課程を5年で修了できることも大きなメリットです。

IFEEKを履修しようと思った理由は?
本プログラムを知ったのは高校2年生の時です。当時は語学や国際関係に興味がありましたが、国際性だけでは自分の強みにならないと思い、何か専門性を持ちたいと考えていました。
その中で、世界共通の学問といえる経済学に着目しました。経済学部の情報を探していた時に見つけたのがIFEEKです。国際性と経済の専門性を同時に向上させる、まさに自分が求めていた学びであると感じ、ぜひ履修したいと思いました。

プログラムに参加してどんな力が身につきましたか。
IFEEKというプログラムがあったからこそ留学を終えることができた、と感謝しています。
IFEEKでの留学は語学留学ではなく、海外協定大学経済学部の授業を履修します。専門知識や英語のレベルも高い授業ですが、留学前に専門知識・海外経験共に豊富な先生方からマクロ経済学やミクロ経済学を英語で学んでいたことで、英語での数式も理解でき、留学先でも非常に役に立ちました。英語の論文を読み解く力、英語でレポートを書く力なども備わり、これらは今の博士課程の論文執筆にも活きています。
留学を通しては、物事の捉え方に変化がありました。クリティカルシンキング・スキルが身につき、客観的・分析的に物事を捉えるようになり、それが現在の研究にもつながっています。
プログラムの中で一番苦労したことは?
留学先はベルギーの「ルーヴァン・カトリック大学」を希望しました。将来は国際機関で働きたいという夢があり、そのためには英語だけでなく、フランス語のスキルも必要だと感じ、フランス語圏の大学を選びました。
経済学部の授業の多くはフランス語で行われていましたが、私にはフランス語で授業を受けるほどの語学力がありませんでした。そのため、英語で開講されている授業を履修しましたが、そのほとんどが博士課程の授業でした。大学3年生にとってはレベルも専門性も高く、予習・復習が間に合わず、分からないことが蓄積していった時は本当に苦労しました。
周囲の友人と先生方の協力で何とか乗り越えることができ、今では良い思い出になっています。

留学体験の中で、印象に残っていることなどありますか?
留学で多様な価値観に触れ、自分とは価値観の違う人がいることが当たり前であり、その考え方を受け入れられるようになりました。
また、海外の人との衛生観念の違いやアジア人に対する差別などにも直面し、自分の中では常識でも、国や文化が違えばその常識は通用しないということを学び、柔軟な考え方が身についたように思います。

この学びを今後どのように生かしたいと考えていますか?
以前は国際機関で働きたいという夢がありましたが、さまざまな体験を通して、組織の一員という立場よりも、自由に成果や意見を発表できる研究者の方が自分に向いていると気づき、今は、さまざまな研究や論文発表を通して、社会に貢献したいと考えています。
現在、再生可能エネルギーの普及促進策の有効性について研究を行っていますが、将来的には、さまざまな国を分析する国際比較の研究にも携わってみたいです。
これから神戸大学を受験する生徒たちにメッセージをお願いします。
本校は、勤勉な学生が多いと思います。課題についても、真面目に取り組める学生が多いため、IFEEKなどの教育プログラムが成り立っています。
何事にも真面目に取り組める方は、ぜひ本学で周りに刺激を受けながら、学びを深めていただきたいと思います。また、今の自分の学力に自信がなくても、IFEEKに興味があるなら、ぜひ挑戦していただきたいです。力不足であることは、逆に成長が望めるということです。ぜひ、IFEEKに挑戦して、自分の殻を打ち破ってください。