○神戸大学エックス線装置安全管理規程
(平成29年2月21日制定)
改正
平成31年3月29日
(目的)
第1条
この規程は,労働安全衛生法(昭和47年法律第57号),労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号。以下「施行令」という。)及び電離放射線障害防止規則(昭和47年労働省令第41号。以下「電離則」という。)並びに神戸大学放射線障害の防止に関する規則(平成16年4月1日制定。以下「防止規則」という。)の規定に基づき,神戸大学(以下「本学」という。)におけるエックス線及びエックス線装置の取扱い及び管理に関する事項を定め,エックス線による放射線障害の発生を防止し,併せて公共の安全を確保することを目的とする。
(定義)
第2条
この規程において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。
(1)
エックス線装置 1メガ電子ボルト未満のエネルギーを有するエックス線を発生させる装置であって,施行令別表第2第2号に定める装置以外のもの(副次的にエックス線を発生させるものを除く。)をいう。
(2)
特定エックス線装置 前号のエックス線装置のうち,波高値による定格管電圧が10キロボルト以上のものをいう。
(3)
部局 防止規則第2条第10号に掲げる部局等のうち,エックス線装置を所有するものをいう。
(4)
管理区域 電離則第3条第1項に規定する管理区域をいう。
(5)
エックス線作業主任者 防止規則第6条第1項に規定するエックス線作業主任者をいう。
(6)
エックス線装置安全管理責任者 防止規則第6条第3項に規定するエックス線装置安全管理責任者をいう。
(7)
エックス線作業従事者 前2号に掲げる者のほか,エックス線装置の使用者をいう。
(8)
放射線障害防止委員会 防止規則第8条に規定する六甲台地区,医学部地区及び深江地区に置かれる放射線障害防止委員会をいう。
(遵守等の義務)
第3条
エックス線作業従事者及び管理区域に一時的に立ち入る者は,部局の長及びエックス線作業主任者が放射線障害防止のために行う指示を遵守し,その指示に従わなければならない。
2
部局の長は,エックス線作業主任者が法令及びこの規程に基づき行う意見具申等を尊重しなければならない。
3
部局の長は,防止規則第7条に定める神戸大学放射性同位元素等管理委員会(以下「管理委員会」という。)及び神戸大学放射線安全委員会規程(平成21年2月24日制定)第7条第2項に定める神戸大学エックス線装置安全管理委員会(以下「エックス線委員会」という。)が防止規則に基づき行う勧告等を尊重しなければならない。
(エックス線作業主任者)
第4条
防止規則第6条第1項の規定に基づき,エックス線装置によりエックス線が発生する管理区域ごとにエックス線作業主任者を置く。
ただし,当該装置の外部に管理区域が存在しないエックス線装置であって,エックス線委員会が認める場合は,この限りでない。
(登録)
第5条
エックス線作業従事者は,防止規則第10条第5項の規定に基づき,部局の長にエックス線作業従事者の登録の申請を行わなければならない。
2
前項の申請を行った者は,第13条に定める教育及び訓練並びに第15条に定める健康診断を受けなければならない。
3
部局の長は,前項の教育及び訓練を受けたもので,かつ,同項の健康診断の結果から判断して,エックス線装置を使用して支障がないと認めた者について,エックス線作業従事者として登録するものとする。
(管理区域)
第6条
部局の長は,エックス線装置安全管理責任者に当該部局における管理区域を標識により明示させるものとする。
2
エックス線装置安全管理責任者は,次に掲げる者以外の者を管理区域に立ち入らせてはならない。
(1)
エックス線作業従事者
(2)
見学者等で一時立入者としてエックス線作業主任者が認めた者
(管理区域に関する遵守事項)
第7条
管理区域に立ち入る者は,次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1)
定められた出入口から出入りすること。
(2)
個人被ばく線量計を指定された位置に着用すること。
(3)
管理区域内において飲食及び喫煙を行わないこと。
(4)
エックス線作業従事者は,エックス線作業主任者が放射線障害を防止するために行う指示その他施設の保安を確保するための指示に従うこと。
(5)
一時立入者は,エックス線作業主任者及びエックス線作業従事者が放射線障害を防止するために行う指示その他放射線施設の保安を確保するための指示に従うこと。
2
部局の長は,管理区域の入口の目につきやすい場所に,取扱いに係る注意事項を掲示し,管理区域に立ち入る者に遵守させなければならない。
(装置の設置等)
第8条
防止規則第10条の2第1項の規定に基づく部局の長への届出は,労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)に規定する労働基準監督署長に提出すべき届書等の必要な書面により,行うものとする。
2
学長は,防止規則第10条の2第1項の規定に基づく部局の長からの届出があったときは,その内容をエックス線委員会に通知するものとする。
(エックス線装置の調査点検)
第9条
管理委員会は,定期又は臨時に,管理区域への立入り又は帳簿,記録等の確認により,管理区域の維持管理及びエックス線装置等の取扱いの状況について,調査点検を行うことができる。
2
管理委員会は,前項の調査点検を行った場合は,その結果を管理部局の長に通知するものとする。
(放射線測定器等の保守)
第10条
管理担当者は,エックス線装置について常に正常な機能を維持するように保守しなければならない。
(場所の測定)
第11条
エックス線装置安全管理責任者は,次の各号に定めるところにより放射線の量の測定を行い,その結果を評価しなければならない。
(1)
放射線の量の測定は,使用施設,貯蔵施設,廃棄施設,管理区域境界及び事業所の境界について行うこと。
(2)
実施時期は,取扱開始前に1回,取扱開始後にあっては1月(エックス線装置を固定して使用する場合において使用の方法及び遮へい物の位置が一定しているときは6月)を超えない期間ごとに1回行うこと。
2
前項に定める放射線の量の測定は,原則として1センチメートル線量当量又は1センチメートル線量当量率について放射線測定器を使用して行わなければならない。
ただし,放射線測定器を用いて測定することが著しく困難な場合は,計算によってこれらの値を算出するものとする。
3
エックス線装置安全管理責任者は,次の項目について第1項の測定結果を記録し,エックス線作業主任者の検認を受けた後,部局の長に報告しなければならない。
(1)
測定日時
(2)
測定箇所
(3)
測定者の氏名
(4)
放射線測定器の種類,型式及び性能
(5)
測定方法
(6)
測定条件
(7)
測定結果
(8)
測定結果に基づいて実施した措置の概要
4
部局の長は,前項の測定結果の記録を5年間保存しなければならない。
(個人被ばく量の測定)
第12条
エックス線装置安全管理責任者は,管理区域に立ち入る者に対して適切な放射線測定器を着用させ,次の各号に定めるところにより,個人被ばく線量を測定しなければならない。
ただし,放射線測定器を用いて測定することが困難な場合は,計算によってこれらの値を算出するものとする。
(1)
放射線の量の測定は,外部被ばくによる線量について行うこと。
(2)
測定は,胸部(女子(妊娠する可能性がない女子を除く。)にあっては腹部)について1センチメートル線量当量及び70マイクロメートル線量当量について行うこと。
(3)
頭部及びけい部から成る部分,胸部及び上腕部から成る部分並びに腹部及び大たい部から成る部分のうち,外部被ばくが最大となるおそれのある部分が,胸部及び上腕部から成る部分(女子にあっては腹部及び大たい部から成る部分)以外の部分である場合は,前号のほか,当該部分についても行うこと。
(4)
人体部位のうち外部被ばくが最大となるおそれのある部位が,頭部,けい部,胸部,上腕部,腹部及び大たい部以外である場合は,前2号のほか当該部位についても70マイクロメートル線量当量を測定すること。
(5)
測定は,管理区域に立ち入る者について,管理区域に立ち入っている間継続して行うこと。
ただし,一時立入者としてエックス線作業主任者が認めた者については,外部被ばくの線量が100マイクロシーベルトを超えるおそれのあるときに行うものとする。
2
エックス線装置安全管理責任者は,次の項目について前項の測定結果を記録しなければならない。
(1)
測定対象者の氏名
(2)
測定者の氏名
(3)
放射線測定器の種類及び形式
(4)
測定方法
(5)
測定部位及び測定結果
3
前項の測定結果の記録については,4月1日,7月1日,10月1日及び1月1日を始期とする各3月間,4月1日を始期とする1年間並びに妊娠中の女子及び1月に受ける実効線量が1.7ミリシーベルトを超えるおそれのある女子にあっては毎月1日を始期とする1月間について,当該期間ごとに集計し,記録しなければならない。
4
エックス線装置安全管理責任者は,測定結果から実効線量及び等価線量を算定し,次の項目について記録しなければならない。
(1)
算定年月日
(2)
対象者の氏名
(3)
算定者の氏名
(4)
算定対象期間
(5)
実効線量
(6)
等価線量及び組織名
5
前項の算定は,4月1日,7月1日,10月1日及び1月1日を始期とする各3月間,4月1日を始期とする1年間並びに妊娠中の女子及び1月に受ける実効線量が1.7ミリシーベルトを超えるおそれのある女子にあっては毎月1日を始期とする1月間について,当該期間ごとに行い記録しなければならない。
ただし,算定の結果,4月1日を始期とする1年間についての実効線量が20ミリシーベルトを超えた場合,当該年以降は,当該年を含む5年間の累積実効線量を4月1日を始期とする1年間ごとに算定し,記録,保存しなければならない。
6
第2項から前項までの記録は,記録の都度エックス線作業主任者の検認を受けた後,対象者にその写しを交付するとともに,部局の長に報告しなければならない。
7
部局の長は,前項により報告された記録を永久に保存しなければならない。
(教育及び訓練)
第13条
部局の長は,エックス線作業従事者に対し,この規程及び関係法令の周知等を行うほか,放射線障害の発生を防止するために必要な教育及び訓練を実施しなければならない。
2
部局の長は,前項の教育及び訓練の実施を放射線障害防止委員会に委任するものとする。
3
第1項の規定による教育及び訓練は,エックス線作業従事者として登録する前及び登録後の1年を超えない期間ごとに,次の項目について行うものとする。
(1)
電離放射線の人体への影響
(2)
被ばくを防止するための装置の安全な取扱い
(3)
エックス線による放射線障害の防止に関する法令
4
前項の規定にかかわらず,同項に掲げる項目に関して十分な知識及び技能を有しているとエックス線委員会が認めた者に対しては,教育及び訓練の一部を省略することができる。
(透過写真撮影業務に係る特別の教育)
第14条
部局の長は,エックス線装置を用いて行う透過写真の撮影の業務に従事しようとする者に対し,特別の教育を実施しなければならない。
2
部局の長は,前項の教育の実施を放射線障害防止委員会に委任するものとする。
3
第1項の規定による教育は,透過写真撮影業務に従事する前及び従事後の1年を超えない期間ごとに,次の各号に掲げる項目について当該各号に定める時間行うものとする。
(1)
透過写真の撮影の作業の方法 1時間30分間
(2)
エックス線装置又はガンマ線照射装置の構造及び取扱いの方法 1時間30分間
(3)
電離放射線の生体に与える影響 30分
(4)
エックス線障害の防止に関する法令 1時間
4
前項の規定にかかわらず,前項に掲げる項目に関して十分な知識及び技能を有しているとエックス線委員会が認めた者に対しては,教育及び訓練の一部を省略することができる。
5
エックス線委員会は,教育及び訓練を実施したときは,次の項目について部局の長に報告しなければならない。
(1)
実施年月日
(2)
項目及び時間数
(3)
教育及び訓練を受けた者の氏名等
(健康診断)
第15条
部局の長は,エックス線従事者に対して次の各号に定めるところにより,健康診断を行わなければならない。
(1)
健康診断は,問診及び検査又は検診とすること。
(2)
問診は,放射線の被ばく歴及びその状況について行うこと。
(3)
検査又は検診は,次の部位及び項目について行うこと。
イ
末しょう血液中の血色素量又はヘマトクリット値,赤血球数,白血球数及び白血球百分率
ロ
眼
ハ
皮膚
(4)
実施時期は,次のとおりとする。
イ
エックス線従事者として登録する前
ロ
エックス線従事者にあっては6月を超えない期間ごと。
ただし,前年度の4月1日を始期とする1年間の実効線量が5ミリシーベルトを超えず,かつ,当該年度の4月1日を始期とする1年間の実効線量が5ミリシーベルトを超えるおそれのない者は,前号イからハのうち医師が必要と認めた項目に限り実施する。その他の者は,前号イからハまでのうち医師が必要でないと認める項目について省略することができる。
2
部局の長は,エックス線従事者が実行線量限度若しくは透過線量限度を超えて放射線に被ばくし,又は被ばくしたおそれのあるときは,前項第4号の規定にかかわらず,遅滞なくその者につき健康診断を行わなければならない。
3
部局の長は,次の各号に従い健康診断の結果を記録しなければならない。
(1)
実施年月日
(2)
対象者の氏名
(3)
健康診断を実施した医師名
(4)
健康診断の結果
(5)
健康診断の結果に基づいて講じた措置
4
第1項第4号ロのただし書により健康診断の一部を省略した場合は,その理由を記録しなければならない。
5
部局の長は,前2項の記録の写しを記録の都度対象者に交付しなければならない。
6
部局の長は,健康診断の記録を永久に保存しなければならない。
(放射線障害を受けた者等に対する措置)
第16条
部局の長は,エックス線従事者が放射線障害を受け又は受けたおそれのある場合には,エックス線作業主任者及び医師と協議し,その程度に応じ管理区域への立入時間の短縮,立入りの禁止,保健指導等の適切な措置を講じなければならない。
(記帳)
第17条
部局の長は,第13条及び第14条に規定する教育及び訓練にかかる記録を行う帳簿を備え記帳しなければならない。
(雑則)
第18条
この規程に定めるもののほか,エックス線による放射線障害の防止及びこの規程の実施に関し必要な事項は,学長が別に定める。
附 則
この規程は,平成29年4月1日から施行する。
附 則(平成31年3月29日)
この規程は,平成31年4月1日から施行する。