○国立大学法人神戸大学知的財産取扱規程
(平成16年4月1日制定)
改正
平成17年9月30日
平成20年2月26日
平成28年3月22日
平成28年9月30日
令和2年3月24日
令和3年6月29日
令和3年9月30日
令和4年3月29日
令和4年9月30日
令和5年5月30日
令和6年3月27日
第1章 総則
(趣旨)
第1条
この規程は,国立大学法人神戸大学職員就業規則(平成16年4月1日制定)第21条の規定に基づき,国立大学法人神戸大学(以下「本学」という。)の職員等が行った発明等の取扱いについて,その管理,運用及び活用に係る必要な事項を定めるものとする。
(役員等への適用)
第1条の2
次条に規定する役員,学生等及び本学が受け入れた研究員が行った発明等の取扱いについては,この規程に定めるところによる。
(用語の定義)
第2条
この規程において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1)
役員 国立大学法人神戸大学役員服務等規程(平成27年3月23日制定)の適用を受ける者をいう。
(2)
職員 国立大学法人神戸大学職員就業規則,国立大学法人神戸大学船員就業規則(平成16年4月1日制定),国立大学法人神戸大学特命職員就業規則(平成18年3月28日制定),国立大学法人神戸大学特定有期雇用医療職員就業規則(平成18年3月28日制定),国立大学法人神戸大学再雇用職員就業規則(平成16年4月1日制定),国立大学法人神戸大学定年前再雇用職員就業規則(令和6年3月25日制定),国立大学法人神戸大学準正規職員就業規則(平成27年3月23日制定),国立大学法人神戸大学非常勤職員就業規則(平成16年4月1日制定)又は国立大学法人神戸大学外国人研究員取扱規則(平成16年4月1日制定)の適用を受ける者をいう。
(3)
学生等 本学が設置する学部,大学院研究科,乗船実習科の学生(特別聴講学生,特別研究学生,科目等履修生,聴講生,研究生,専攻生及び外国人特別学生を含む。)及びこれらに準ずるもので,本学と雇用関係のないものをいう。
(4)
本学が受け入れた研究員 共同研究員,受託研究員その他これに準ずるもの等をいう。
(5)
職員等 役員,職員,学生等及び本学が受け入れた研究員をいう。
(6)
発明等 特許権の対象となる発明,実用新案権の対象となる考案,意匠権の対象となる意匠,回路配置利用権の対象となる半導体集積回路の回路配置,育成者権の対象となる新品種,著作権の対象となるプログラムの著作物及びデータベースの著作物(以下「プログラム著作物等」という。),秘匿することが可能な技術情報であって,かつ,財産的価値を有するもの(以下「ノウハウ」という。)及び研究に基づき得られた遺伝子,核酸,タンパク質,細胞株,微生物株,実験動物,化合物,試薬,試料,材料,試作品,装置等で,財産的価値を有するもの(以下「成果有体物」という。)をいう。
(7)
特許等を受ける権利 特許法(昭和34年法律第121号)に規定する特許を受ける権利,実用新案法(昭和34年法律第123号)に規定する実用新案登録を受ける権利,意匠法(昭和34年法律第125号)に規定する意匠登録を受ける権利,半導体集積回路の回路配置に関する法律(昭和60年法律第43号)に規定する回路配置利用権の設定登録を受ける権利及び種苗法(平成10年法律第83号)に規定する品種登録を受ける地位をいう。
(8)
特許権等 特許法に規定する特許権,実用新案法に規定する実用新案権,意匠法に規定する意匠権,半導体集積回路の回路配置に関する法律に規定する回路配置利用権,種苗法に規定する育成者権及び著作権法に規定するプログラム著作物等に係る著作権,並びに外国における上記各権利に相当する権利をいう。
(9)
知的財産権 特許等を受ける権利及び特許権等をいう。
(10)
職務発明 役員及び職員が,本学の研究経費又は公的に支給された研究経費を使用して,本学において行う研究又は本学の施設を利用して行う研究等に基づき行った発明等をいう。
(11)
発明者 発明を行った職員等をいう。
(12)
部局 各機構,各学部,各研究科,高等学術研究院,経済経営研究所,附属図書館,医学部附属病院,附属学校部,附属中等教育学校,明石地区附属学校,附属特別支援学校,各学内共同教育研究推進組織,各学内共同管理・支援組織,産官学連携本部,地域連携推進本部,DX・情報統括本部,カーボンニュートラル推進本部,ウェルビーイング推進本部及び事務局(戦略企画室,国立大学法人神戸大学学則(平成16年4月1日制定)第18条第1項の規定により設置される室,監査室及び内部統制室を含む。)をいう。
第2章 発明
(発明の帰属)
第3条
職務発明に係る特許を受ける権利は,原則として本学が承継し,本学に帰属する。
2
学生等が,職員の指導の下で行った発明については,契約により発明に係る特許等を受ける権利を本学に帰属させることができるものとする。
3
本学が受け入れた研究員が行った発明に係る特許を受ける権利の帰属の取扱いは,受入れの際に契約書等で定めるものとする。
4
職員が他の機関の研究者と共同で研究を行った結果生じた発明に係る特許を受ける権利は,研究の貢献度により按分し,職員の持分については,本学が承継し,本学に帰属するものとする。
(届出)
第4条
役員及び職員は,本学の研究経費又は公的に支給された研究経費を使用して本学において行う研究,本学の施設を利用して行う研究等に基づき行った発明については,神戸大学産官学連携本部長(以下「本部長」という。)に届け出るものとする。
2
複数の職員等が共同発明者として含まれる場合は,前項の届出は,共同発明者間で定めた代表者である役員又は職員が行うものとする。
3
役員及び職員は,第1項の届出については,研究成果の公表(学会発表,専門誌への投稿,報道発表等)の前に行うものとする。
(発明に係る特許を受ける権利の承継の決定)
第5条
本部長は,前条の規定により届出のあった発明について,特許を受ける権利の承継及び帰属に関する決定を行うものとする。
2
本部長は,前項の決定を行うにあたって必要があるときは,神戸大学産官学連携本部規則第10条第1項に定める神戸大学産官学連携本部発明評価委員会(以下「発明評価委員会」という。)の意見を聴くことができるものとする。
(発明者への通知)
第6条
本部長は,第4条の規定に基づく届出を受理した日から原則として30日以内に,前条の決定事項を,当該届出をした役員又は職員(以下「代表発明者」という。)に,理由を付して通知するものとする。
(譲渡証書等の提出)
第7条
本学に帰属することが決定された特許を受ける権利に係る発明の発明者は,速やかに,譲渡証書及び特許出願に要する書類を本学に提出するものとする。
(発明補償)
第8条
特許を受ける権利を本学に承継させた発明者に,発明の財産的価値の譲渡の対価として,登録補償及び実績補償(以下「発明補償」という。)を行うものとする。
2
登録補償の金額は,次に掲げるとおりとする。
(1)
国内登録補償 本学に帰属した特許を受ける権利に基づき,本学が特許権を取得した場合 1件につき3万円
(2)
国外登録補償 本学に帰属した特許を受ける権利に基づき,本学が外国における特許権に相当する権利を,最初の1か国について取得した場合 1件につき3万円
3
実績補償は,本学に帰属した特許を受ける権利及び当該権利から発生した特許権等について,契約に基づき,本学が対価を受け入れた場合に行うものとする。
4
前項の場合において,実績補償の金額は,当該対価から必要経費(国内外を問わず,当該発明についての特許出願,出願書類作成及び権利維持に要した経費をいう。)を控除した後の金額(契約対象となった発明1件当たり,1年度当たりの金額をいう。)について,次の各号の区分に応じ,当該各号に定める配分の割合により算出した額とする。
(1)
1,000万円以下の部分 67.5%
(2)
1,000万円を超える部分 50%
5
発明補償は,発明者が複数である場合は,発明への貢献度により金額を按分するものとする。
6
実績補償の対象者である発明者は,前3項により算出された金額について,任意の額を控除し,当該金額を自らの研究費として所属する部局に配分することを求めることができる。
7
発明者が退職,転職,卒業,修了,退学等をした場合においても,在職中又は在学中に行った発明については,発明補償金を支給するものとする。
8
発明者が死亡した場合には,相続人に発明補償金を受ける権利を付与するものとする。
9
前2項の場合において,第6項の規定は適用しない。
10
発明補償についての査定は,発明評価委員会の議を経て本部長が行うものとする。
第9条 削除
第3章 実用新案,意匠,半導体集積回路の回路配置及び植物の新品種
(考案者,創作者及び育成者への準用)
第10条
第3条から第8条までの規定は,実用新案を考案した職員等,意匠を創作した職員等,半導体集積回路の回路配置を創作した職員等及び植物の新品種を育成した職員等に準用する。この場合において,第8条第2項第1号及び第2号中「3万円」とあるのは「1万円」と読み替えるものとする。
第4章 著作物
(著作物の届出)
第11条
本学の研究経費又は公的に支給された研究経費を使用して本学において行う研究,本学の施設を利用して行う研究等に基づき作成したプログラム著作物等のうち,公表することにより,より一層の研究の進展及び社会貢献に資するものについては,その運用を,プログラム著作物等を創作した役員又は職員(以下「著作者」という。)に委ねるものとする。
ただし,プログラム著作物等について,収益事業のため産業利用を図る場合には,著作者は,当該プログラム著作物等を創作した旨を本部長に届け出るものとする。
(著作権の帰属)
第12条
前条ただし書により届出のあったプログラム著作物等は,次のとおり取り扱うものとする。
(1)
プログラムの著作物の著作権は,本学に帰属するものとする。
(2)
データベースの著作物については,著作者と協議のうえ,契約により著作権を本学に帰属させることができるものとする。
2
学生等が創作したプログラム著作物等の著作権については,契約により本学に帰属させることができるものとする。
3
本学が受け入れた研究員が創作したプログラム著作物等に係る著作権の帰属の取扱いについては,受入れの際に契約書等で定めるものとする。
(著作者への準用)
第13条
第6条から第8条まで(第8条第2項を除く。)の規定は,第11条ただし書の規定により届出をした著作者に準用する。
第5章 成果有体物
(成果有体物の取扱い)
第14条
成果有体物の取扱いについて必要な事項は,細則で定める。
第6章 ノウハウ
(ノウハウの指定)
第15条
産業利用を図るノウハウの指定は,本部長が当該ノウハウ案出者と協議の上,行うものとする。
(ノウハウの帰属)
第16条
役員又は職員が案出し,前条の規定により指定されたノウハウに係る権利は,本学に帰属するものとする。
2
学生等が案出したノウハウに係る権利は,契約により本学に帰属させることができるものとする。
3
本学が受け入れた研究員が案出したノウハウに係る権利の帰属の取扱いは,受入れの際に契約書等で定めるものとする。
(ノウハウ案出者への準用)
第17条
第4条及び第8条(第2項を除く。)の規定は,前条第1項及び第2項の規定に基づき案出したノウハウに係る権利を本学に帰属させた役員,職員及び学生等に準用する。
第7章 知的財産権の管理
(管理)
第18条
本学における知的財産権(プログラム著作物等に係るものを除く。)の管理は,神戸大学産官学連携本部(以下「本部」という。)が行う。
2
役員及び職員によるプログラム著作物等に係る知的財産権及び成果有体物及びノウハウの管理は,創作者,著作者,案出者又はこれらの者が所属する部局が行う。
3
役員及び職員からプログラム著作物等,成果有体物及びノウハウの届出のあったもののうち,収益事業のため産業利用を図るものについては,当該職員が所属する部局の支援を得て,本部が契約等に係る業務を行うものとする。
第8章 発明等の利用活用
(特許等を受ける権利に係る出願・権利化)
第19条
本学に帰属した特許等を受ける権利に基づき,特許権等を取得するための出願をすることの要否については,本部長が決定する。
2
本部長は,前項の決定を行うにあたって必要があるときは,発明評価委員会の意見を聴くことができるものとする。
3
本部は,本学が承継した特許等を受ける権利の権利化に際し,産業界での実用化の推進を図るため,技術移転機関の起用を含め適切な出願手段等を選択するものとする。
(知的財産権の処分)
第20条
本学が所有する知的財産権のうち,産業界等での利用活用の展望が開けない等の理由により処分するものについては,本部長が決定する。
2
本部長は,前項の決定を行うにあたって必要があるときは,発明評価委員会の意見を聴くことができるものとする。
3
本部長は,第1項の決定事項を,代表発明者に理由を付して通知するものとする。
4
第1項の規定により処分する旨の決定があった知的財産権については,本部長は,発明者の申出に基づき,当該発明者に譲渡することを決定することができる。
ただし,譲渡について当該知的財産権の共有者の同意を得ることができない場合は,この限りではない。
(大学発ベンチャーに対する優遇措置)
第21条
大学発ベンチャー企業に対するライセンスについては,実施料の延べ払い,減免等の優遇措置を行い,起業の推進と当該ベンチャー企業の育成を支援するものとする。
(企業等への優遇措置)
第22条
企業等における知的財産の利活用を円滑に行うため,専用実施権の設定等を含め,企業等への独占的実施権の許諾及び先行する実施権者に対する最恵待遇の配慮等を行うものとする。
ただし,当該企業等が適切な実施を行わない場合は,本学の公共性を考慮し,独占的実施権を解消すること等の対処ができるものとする。
第9章 共同研究及び受託研究
(特許等を受ける権利の帰属)
第23条
共同研究及び受託研究(以下「共同研究等」という。)の研究成果による発明に係る特許等を受ける権利は,当該発明をした者が所属する法人に帰属することを原則とする。
ただし,産業界等での実用化・事業化を推進するため企業等との協議の上,特許等を受ける権利の譲渡を含め対応するものとする。
(発明等の使用による収益の還元)
第24条
本学の発明等の使用については,本学の知的貢献を含め企業の発明等の活用による収益の還元を得ることを原則とするものとする。
第10章 職員等の守秘義務
(守秘義務)
第25条
発明等の創出及び管理に係る職員等は,発明等の内容その他に関する事項について秘密を守らなければならない。
第26条
研究代表者は,共同研究等又はプロジェクト研究を実施するに当たり,研究担当者等の参加者に対し守秘義務について適切な管理を行うものとする。
第27条
ノウハウの案出者は,指定されたノウハウについて,秘密が漏洩しないように適切な管理・教育を行うものとする。
第11章 発明等の取扱い等に関する異議申立て
(異議申立て)
第28条
発明等に係る届出をした役員又は職員は,第5条第1項の決定に対し不服のある場合は,決定通知を受けた日から起算して10日以内に,本部長に対して,異議申立書により異議申立てを行うことができる。
2
本部長は,前項の異議申立てを受理したときは,原則として,異議申立てを受理した日から起算して60日以内に,特許等を受ける権利の帰属等について決定し,当該役員又は職員に通知するものとする。
3
異議申立てを行った役員又は職員は,前項の異議申立てに対する決定については,再び異議申立てを行うことはできないものとする。
4
第8条第10項の査定又は第20条第1項の決定に対し不服のある場合の異議申立てについては,前3項の規定に準じて取り扱うものとする。
(紛争処理委員会)
第29条
前条の異議申立てに関し審議するため,本学に神戸大学知的財産紛争処理委員会(以下「紛争処理委員会」という。)を置く。
2
紛争処理委員会の組織及び運営に関し必要な事項は,別に定める。
第12章 雑則
(書類の様式)
第30条
この規程の実施に必要な書類の様式は,本部長が別に定める。
(雑則)
第31条
この規程に定めるもののほか,知的財産の管理,運用及び活用に関し必要な事項は,本部長が別に定める。
附 則
1
この規程は,平成16年4月1日から施行する。
2
神戸大学学則等を廃止する規則(平成16年4月1日制定)第2条の規定による廃止前の神戸大学発明規則第14条の規定により,特許を受ける権利を国が承継しないものとされ,職員が管理・活用している当該権利については,なお従前の例による。
3
国立大学法人法(平成15年法律第112号)附則第9条第1項に基づき大学が国から承継する特許権等の取扱いについては,この規程を適用する。
附 則(平成17年9月30日)
この規程は,平成17年10月1日から施行する。
附 則(平成20年2月26日)
この規程は,平成20年4月1日から施行する。
附 則(平成28年3月22日)
この規程は,平成28年4月1日から施行する。
附 則(平成28年9月30日)
この規程は,平成28年10月1日から施行する。
附 則(令和2年3月24日)
1
この規程は,令和2年4月1日から施行する。
2
この規程の施行日前に改正前の第4条第1項の届出があった発明に係る登録補償金については,改正後の第8条第1項第1号及び第2号の規定にかかわらず,なお従前の例による。
3
この規程の施行日前に締結した契約に係る実績補償金及び研究費補償については,改正後の第8条第1項第3号及び第9条の規定にかかわらず,なお従前の例による。
附 則(令和3年6月29日)
この規程は,令和3年7月1日から施行する。
附 則(令和3年9月30日)
この規程は,令和3年10月1日から施行する。
附 則(令和4年3月29日)
この規程は,令和4年4月1日から施行する。
附 則(令和4年9月30日)
この規程は,令和4年10月1日から施行する。
附 則(令和5年5月30日)
この規程は,令和5年6月1日から施行する。
附 則(令和6年3月27日)
この規程は,令和6年4月1日から施行する。