○神戸大学研究基盤センター高圧ガス危害予防規程
(平成16年4月1日制定)
改正
平成27年3月31日
平成30年3月30日
令和2年8月25日
目次

第1章 総則(第1条-第3条)
第2章 保安管理体制(第4条-第9条)
第3章 保安統括者等の職務(第10条-第12条)
第4章 運転,操作等に関する保安管理(第13条-第15条)
第5章 施設に関する保安管理(第16条-第28条)
第6章 異常状態に対する措置(第29条-第36条)
第7章 大規模地震に対する措置(第37条-第39条)
第8章 保安教育及び規程類の周知(第40条-第43条)
第9章 協力会社の保安管理(第44条・第45条)
第10章 規程の制定及び改廃(第46条・第47条)
附則

第1章 総則
(目的)
第1条 この規程は,高圧ガス保安法(昭和26年法律第204号。以下「法」という。)第26条第1項の規定に基づき,神戸大学研究基盤センター極低温部門(以下「極低温部門」という。)における高圧ガスの保安維持に必要な事項を定め,もって人的及び物的損傷を防止し,公共の安全を確保する事を目的とする。
(用語の定義)
第2条 この規程において用いる用語の定義は,一般高圧ガス保安規則,容器保安規則に定めるもののほか次の各号の定めるところによる。
(1) 保安規則等 一般高圧ガス保安規則,容器保安規則及びこれ等に基づく告示,通達等をいう。
(2) 特別規程 法により制定することが義務づけられた規程等をいう。
(3) 規程類 研究基盤センター長(以下「センター長」という。)が制定した基準,規格等をいう。
(規程の位置付け等)
第3条 この規程は,高圧ガス設備の保安維持上必要な事項について,センター長が関係者と協議して作成し,神戸大学長(以下「学長」という。)が制定した特別規程であり,極低温部門内においては何人もこの規程に従わなければならない。
2 この規程は,別に定める保安教育計画と不可分の関係にあり,一体のものとする。
第2章 保安管理体制
(保安管理組織)
第4条 保安管理の組織は,原則として次のように定める。
(1) 保安統括者は,保安管理の全般を統括する最高責任者とする。
(2) 保安技術管理者は,保安統括者を補佐し,技術的な事項全般を統括管理する。
(3) 保安係員は,製造のための施設の維持,製造の方法の監視その他製造に係る保安に関する技術的な事項を管理する。
2 極低温部門の保安管理組織は,別表のとおりとする。
(保安統括者等の選任)
第5条 学長は,極低温部門長を保安統括者として選任するとともに,その代理者を選任する。
2 学長は,保安統括者を補佐し,高圧ガスの製造に係る保安に関する技術的事項を管理する者として保安技術管理者及びその代理者を選任する。
3 学長は,運転の管理及び作業者の監督を行う者を保安係員及びその代理者として選任する。
4 保安技術管理者,保安係員及びこれらの代理者は,製造保安責任者免状を有し,かつ,保安に関する十分な知識及び経験を有するものとする。
(関連する規程類)
第6条 この規程の細部を明らかにするため,次の各号に定める規程類を定め,これを十分に整備し,また,規程類相互の関連,対象者及び重点を明確にする。
(1) 運転操作基準 安全な運転方法及び操作を定めたもの
(2) 設備管理基準 製造設備,火気取扱,立入制限,保全工具検査機器取扱等の管理に関する基準を定めたもの
(3) 設備点検基準 巡視点検,定期自主検査の方法及び期間,検査点検箇所等を定めたもの
(4) 異常時の措置基準 製造設備の不調,故障,事故及び災害に対する応急措置及び対策,緊急停止措置等を定めたもの
(5) 電気,水等管理基準 電気,水等の用役の管理基準並びに不調及び故障に対する応急措置を定めたもの
(6) 寒剤利用基準 寒剤利用に関する基準を定めたもの
(規程類の制定の方法等)
第7条 保安技術管理者は,前条に定める規程類を保安統括者,保安係員及びその代理者の意見を聴した上,作成し,必要に応じて変更整備する。
2 規程類の制定,改正に関する決裁はセンター長が行う。
3 規程類は,関係法令等及びこの規程の保安基準に合致するものとする。
(保安管理の記録)
第8条 保安に関する必要事項は,責任者が記録し,保安技術の向上に資するものとし,重要な記録は,関係する管理者の検認を受け,期間を定めて保存するものとする。
(保安査察)
第9条 学長は年1回,極低温部門の保安状況の査察を行い保安統括者及び保安技術管理者を同行させ,保安確保に関し指導を行うものとする。
第3章 保安統括者等の職務
(保安統括者及び代理者の職務)
第10条 保安統括者は,極低温部門全般の保安に関する業務を統括し,保安教育を実施する。
2 保安統括者は学長に対し,極低温部門の保安に関する報告及び提案を行い,その指示を受ける。
3 保安統括者の代理者は,保安統括者の職務を代行する。
(保安技術管理者及び代理者の職務)
第11条 保安技術管理者は保安に関する技術的事項全般を統括管理し,保安統括者を補佐するとともに保安係員の指揮を行い,保安教育を実施する。
2 保安技術管理者は,規程類を作成し,変更整備する。
3 保安技術管理者の代理者は,保安技術管理者の職務を代行する。
(保安係員及び代理者の職務)
第12条 保安係員は,極低温部門員の高圧ガス製造設備の取扱いに係る保安について,直接指揮監督する。
2 保安係員は,製造施設の位置,構造,設備及び製造の方法が保安規則等で定められた技術上の基準に適合するように監督する。
3 保安係員は,運転操作基準の作成に関し,助言し,作業者に周知させ,安全な運転及び操作を行うよう訓練し,監督する。
4 保安係員は,運転管理について記録し,保存する。
5 保安係員は,製造設備の巡視点検及び定期自主検査を設備点検基準に従って実施又は監督,指導し,その結果を記録する。また,県知事が行う保安検査,立入検査,完成検査等に立会い,それらの結果に基づき,必要な対策を行う。
6 保安係員は,異常時の措置基準の作成に関し,助言を行い,措置基準を関係者に周知させ,異常状態が発生した場合には,応急措置及び対策を行う。
7 保安係員は,保安教育計画の作成に関し,助言を行い,実施計画を作成する。また,関係者に対し,保安教育訓練を実施する。
8 保安係員の代理者は,保安係員の職務を代行する。
第4章 運転,操作等に関する保安管理
(運転及びその管理を行う者)
第13条 保安係員は,運転を管理し,作業者の運転及び操作を監督する。保安上重要な運転及び操作は熟練者が行い,未経験者が従事するときは,熟練者が直接監督する。
(運転,操作等に関する規程類の作成及び実施)
第14条 次の各号に定める規程類を標準化して作成し,関係者に周知させるとともにプロセス又は設備の変更等に応じ変更整備する。
(1) 運転操作基準 高圧ガス製造設備の運転に係る保安及び作業の具体的な基準について定める。
(2) 設備点検基準 巡視点検の基準を定め,製造設備の運転開始時及び運転終了時並びに必要に応じ施設を巡視点検して保安の確認を行い,その結果を記録し,必要な対策を行う。
(3) 電気,水等管理基準 電気,水等の用役は基準を定めて管理する。
(運転,操作等の記録)
第15条 運転,充填等製造に関する保安上必要な事項を記録し,関係者に閲覧させ,3年間保存する。
第5章 施設に関する保安管理
(法令に定められた施設の技術基準)
第16条 保安係員は,法第8条第1号に定められた施設が保安規則等で定められた技術上の基準に適合するよう監督する。
(位置)
第17条 高圧ガス製造施設の位置は,その貯蔵設備及び処理設備の外面から第1種保安物件に対しては第1種設備距離以上,第2種保安物件に対しては第2種設備距離以上の距離をとるものとする。
(建物と障壁)
第18条 高圧ガス製造設備を設置する室及び容器置場の材質は不燃材料とする。
2 圧縮機と充填室及び容器置場との間には,厚さ12センチメートル以上の鉄筋コンクリート造り又はこれと同等以上の強度を有する障壁を設けるものとする。
3 圧縮機をすえ付ける床は,堅固な基礎によるものとし,圧縮機のすえ付けは,振動を防ぐための措置を講ずる。
(容器置場)
第19条 充填容器等は,充填容器及び残ガス容器に区分して,容器置場に置くものとする。
2 容器置場には,計量器等作業に必要なもの以外の物を置いてはならない。
3 充填容器等については,その温度が摂氏40度を越えないよう,必要な措置を講ずる。
4 充填容器等については,常に転落,転倒により,衝撃及びバルブの損傷を起こすことのないよう必要な防止措置を講ずる。
(耐圧と気密)
第20条 設置する高圧ガス設備は,常用の圧力の1.5倍以上で行う耐圧試験及び常用の圧力以上の圧力で行う気密試験に合格したものでなければならない。
(設備の強度等)
第21条 高圧ガス設備は,常用の圧力の2倍以上の圧力で降状を起こさないような肉厚を有するものでなければならない。
2 導管は,腐触し難い材料又は防蝕の措置を講じたものを使用し,振動を防止するための措置を講ずる。
(安全装置)
第22条 安全装置は,次の各号に定める基準によるものとする。
(1) 安全弁の作動圧力は,耐圧試験圧力の10分の8以下とする。
(2) 安全弁の放出口は,雨水,異物等が入らないようにするとともに安全な方向に向ける。
(3) 安全弁に元バルブを設けた場合又は安全弁の出口側にバルブを設けた場合は,その元バルブ又は出口側バルブの開閉が明かに分るようにするとともに封印弁等の固定措置を講ずる。
(圧力計)
第23条 圧縮ガスの高圧ガス設備には,圧力計を設け,その圧力計の最大目盛は常用の圧力の1.5倍以上3倍以下のものとする。
2 圧力計には,振動防止処置を講ずる。
3 標準とする圧力計は,2個以上常備し,半年に1回以上の計量法による検定を受ける。
(設備管理の規程類の作成及び実施)
第24条 製造設備,火気取扱,立入制限,保全工具,検査機器取扱等の管理に関する基準を設備管理基準として作成し,常に整備して関係者に周知させるとともに設備の変更等に応じ変更整備する。
(設備管理の記録)
第25条 施設の履歴,保全等に関する必要事項は,責任者が記録し,重要な記録は,保安統括者等の検認を受け,期間を定めて保存するものとする。
(施設の検査)
第26条 定期自主検査に関する検査方法,検査頻度,及び検査個所の選定方法等を設備点検基準として作成し,関係者に周知させるとともに保安係員は,定期自主点検を実施又は監督し,必要な対策を行う。その結果は記録する。
(工事に伴う保安管理)
第27条 施設の補修工事を行うときは,関係法令等及びこの規程に従ってあらかじめ計画を立て,関係者と協議し,次の各号に定めるところにより保安管理を行う。
(1) 工事全般に関する責任者を定め,関係者に対し,引火,爆発,ガス中毒又は,酸欠に関する教育を行い,責任者監視の上,工事を行う。
(2) 保安係員は,パージ,清掃,その他の保安措置を工事着手前,工事完了時及び運転開始時にそれぞれ確認する。
(3) 設備内で作業を行う場合は,系内を完全に空気置換し,ガス中毒及び酸欠の防止を確保する。
(施設の新増設に伴う保安管理)
第28条 施設を新増設するときは,保安係員を事前に選任し,運転操作基準,設備管理基準等を定めるとともにプロセスの保安に関する重点を明確にして関係者に周知させる。
第6章 異常状態に対する措置
(不調及び故障に対する措置)
第29条 運転又は用役の不調及び故障が生じたときは,異常時の措置基準,電気,水等管理基準に従い適切な対策を行うとともに異常の原因を調査究明する。
(事故及び災害に対する処置)
第30条 事故及び災害(近隣の火災を含む。)を発見した者は,所要の警報を発するとともに,直ちに保安係員及び警務員に通報する。
2 保安係員は,前項の通報を受けた場合又は自ら発見した場合は,ガスの放出等の応急措置をとり,直ちに避難警告を発し,警察署及び消防署(消防署指定の緊急連絡先を含む。)等へ通報するとともに,必要に応じ適切な措置をとった上,保安統括者及び保安技術管理者に報告する。
(緊急時の運転停止)
第31条 作業者は,緊急に運転を停止する必要があると判断した場合は,保安統括者等の命令をまたず,直ちに停止する。
(災害現場の応急措置)
第32条 災害発生時の応急措置については,保安統括者,保安技術管理者,保安係員又はあらかじめ指定された者の指示に従う。
(異常状態に対する措置の訓練)
第33条 保安統括者は,異常時の措置基準に従い,あらかじめ訓練計画を立て,災害規模に応じた緊急措置判断の養成,緊急運転停止操作法等の熟知に関した訓練を行う。
(人身事故に対する措置の訓練等)
第34条 人身事故が発生したときの救急体制を定め,救急箱,担架等の救急用具を設置し,関係者に対し訓練を行う。
(事故等の再発防止)
第35条 保安係員は,事故,不調,故障等により異常状態が発生したときは,その状況の詳細な調査を行い,これらの原因を究明して,保安統括者に報告しなければならない。
2 保安統括者は,前項の報告に基づき,事故等の再発防止のために適切な措置を講ずる。
(異常状態に関する記録)
第36条 異常の状況,時期,措置,対策等を記録し,期間を定めて保存するとともにその結果を検討し,保安技術の向上に資する。
第7章 大規模地震に対する措置
(大規模地震に対する基本方針)
第37条 大規模地震が発生した場合,関係者は,人命の安全確保を最優先に,第29条から第32条までに定める異常状態に対する措置に従い対応するものとする。
(緊急措置訓練等)
第38条 大規模地震発生時の防災体制を迅速に確保するため,保安統括者は,定期的に第33条に定める異常状態に対する措置に基づく緊急措置訓練等を実施する。
(その他必要な教育,訓練等)
第39条 その他必要な教育,訓練等に関する基本的な計画は,別に定める保安教育計画によるものとし,通常の保安教育に併せて,大規模地震に関する必要な教育を実施するとともに,過去に発生した大規模地震事例に基づき,大規模地震による被害を想定した訓練を行う。
第8章 保安教育及び規程類の周知
(保安教育の計画及び実施)
第40条 別に定めた保安教育計画に基づき,関係者に対し,保安意識の高揚,必要な規程類の周知徹底,保安技術の向上,異常状態に対する措置等について教育及び訓練を行い,実施した結果は記録し,保安技術の向上に資する。
(関係法令等の周知及び活用)
第41条 この規程は,関係者に教育して周知徹底させ,規程類は対象者別に必要な規定を重点に教育訓練し,活用する。
(改善提案等)
第42条 広く関係者に対し,保安に関する改善提案等の制度を設け,保安意識の高揚と保安の向上を図る。
(違反者に対する措置)
第43条 この規程,規程類等に違反した者に対しては,保安に関する教育及び訓練を繰返し実施し,再び違反のないよう必要な措置を講ずる。
第9章 協力会社の保安管理
(管理監督の方法)
第44条 協力会社の必要が生じた場合には,協力会社の保安上の責任範囲を具体的に定め,保安委員は,協力会社の作業基準の作成を指導し,その従業者が,基準を遵守するよう監督する。
(保安教育)
第45条 協力会社の従業者には,別に定めた保安教育計画に従い教育及び訓練を実施するとともに協力会社の行う教育を指導し,保安を確保する。
第10章 規程の制定及び改廃
(制定及び改廃の方法)
第46条 この規程は,センター長が関係者と協議して作成し,学長が制定又は改廃するものとする。
(届出)
第47条 この規程の改廃については,兵庫県知事に届け出なければならない。
附 則
この規程は,平成16年4月1日から施行する。
附 則(平成27年3月31日)
この規程は,平成27年4月1日から施行する。
附 則(平成30年3月30日)
この規程は,平成30年4月1日から施行する。
附 則(令和2年8月25日)
この規程は,令和2年8月25日から施行する。
別表
 保安統括者(極低温部門長)
 保安統括者代理者
    
 保安技術管理者
 保安技術管理者代理者
    
 保安係員
 保安係員代理者