2026.03.09

カーボンニュートラルセミナー「北海道大学におけるサステイナビリティ推進の取組み」を開催しました

カーボンニュートラルセミナー「北海道大学におけるサステイナビリティ推進の取組み」を開催

 3月4日、カーボンニュートラル(CN)セミナー「北海道大学におけるサステイナビリティ推進の取組み ー国内初 国際枠組みに準じた方法論による包括的なGHG排出量の算定ー」をダイセルOIホールで開催しました。
 今回のセミナーは、2024年10月、北海道大学が温室効果ガス(GHG)に関する排出量等のデータを体系的にとりまとめた「北海道大学GHGインベントリ2022」を作成・公開したことを受け、その取組みを紹介していただき、本学におけるさらなるカーボンニュートラル(CN)推進につなげることを目的に開催しました。
 セミナーのイントロダクションでは、カーボンニュートラル推進本部長・SDGs推進室長である喜多隆理事・副学長から、本学におけるSDGsやCN推進の取組みを紹介しました。
 続いて、北海道大学総長補佐・環境健康科学研究教育センター長の山内太郎教授から、20年以上にわたる同学のサステイナビリティィ推進のあゆみをご紹介いただきました。1876年に開校した札幌農学校を起源とする同学は、広大な農場や、国土の0.2%にあたる7万haにも及ぶ世界最大規模の研究林、牧場、練習船や臨海実験所など、森林圏から水圏、耕地圏にいたる様々なフィールドを活用したフィールドサイエンスに強みを有しており、独自性・優位性をもってSDGsの達成貢献する素地を持つ大学として、国内外で高く評価されてきました。

こうした取組みのなかで作成されたのが、「北海道大学GHGインベントリ」です。セミナーでは、インベントリ作成の実務を中心的に担った、同学サステイナビリティ推進機構・キャンパスマネジメント部門の平裕特任助教から、GHG排出量算定の方法や対象範囲、インベントリの作成体制やプロセスについて、詳細にお話しいただきました。同インベントリ作成において、最も重視されたのは、確かな方法論に基づくインベントリであること、北大の排出を網羅する包括的なデータベースであること、エビデンス・算定過程を可視化し、透明性・再現性の高いレポートを作成すること、の3つです。とりわけこのインベントリでは、Scope1(事業者自らの直接排出)、Scope2(電気等の使用に伴う間接排出)だけでなく、国内大学ではほとんど着手されていないScope3(Scope1・2以外の間接排出)を含めた北大の全ての活動と、 CO2だけでなくパリ協定に基づく全7つのGHGを算定対象とすることで、包括性が確保されています。そして、約50件の排出源とそのデータを有する担当部局を特定し、2013年度から10年間の各排出量のエビデンスと算定過程が記述されています。
 平特任助教からは、データの包括性を優先させたことにより、物価変動の影響を受ける金額データを一部で使用していること、メールやヒアリングで担当部局への照会を行ったことによる人手や時間の負担など、残された課題が示されたうえで、近日完成予定である、排出量削減に向けた行動変容を促すアクションプランの作成、将来的な吸収量による差引き、一連の取組み効果の検証・公表というサイクルを構築することの重要性が強調されました。また、同部門で取り組む建築のZEB化・脱炭素化の取組みについても、具体事例をもとに紹介していただきました。
 セミナーの後半は参加者を交えてラウンドテーブルを行い、現在の神戸大学における取組み状況を踏まえた上でさまざまな質疑を交わし、今後の課題や可能性について認識を共有する貴重な機会となりました。
 北海道大学と神戸大学がともに幹事校を務める「カーボンニュートラル達成に貢献する大学等コアリション」は、2026年度から新たな活動ステージに入ることになっています。トリプルサステイナビリティ(CN、サーキュラーエコノミー、ネイチャーポジティブ)を射程とし、より幅広い立場・分野の機関が参画して活動を推進していきます。本学では、今回のセミナーを機に、北海道大学をはじめサステイナビリティ推進をリードする大学をはじめとする諸機関とさらに連携を深め、活動を展開していく予定です。

(SDGs推進室・カーボンニュートラル推進本部)
 
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