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国際シンポジウム2012年開催報告

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2012年11月7日(水) 国際シンポジウム 「Women in Science and Education ―平和、多様性、衡平」を開催しました。

神戸大学男女共同参画推進室は、ユネスコ事務局長イリーナ・ボコバ氏、国立女性教育会館理事長内海房子氏、メルボルン大学イングリッド・シェファー氏 (ロレアルユネスコ賞2012年度受賞者) を講演者にお迎えし、国際シンポジウム「Women in Science and Education ―平和、多様性、衡平」を11月7日に開催しました。

学長懇談会

国際シンポジウム2012

このシンポジウムに先立ち、ボコバ事務局長が福田秀樹学長と懇談しました。懇談に同席された方は、以下の通りです。

【ユネスコ】ユネスコ事務局長室男女共同参画局長 サニエ・コラット氏、ユネスコ事務局長室秘書官 パオラ・バルトリ氏
【外務省】ユネスコ日本国特命全権大使 (駐ユネスコ代表部大使) 木曽功大使、外務省 大臣官房 国際文化協力室 外務事務官栗原恵津子氏
【神戸大学】中村千春理事・副学長、正司健一理事・副学長、相馬芳枝男女共同参画担当特別顧問、ツェンコバ・ルミャナ男女共同参画推進室長

 本学はユネスコとの協力関係を積極的に進めており、昨年もユネスコ事務局長室男女共同参画局長Saniye G. CORAT氏によって男女共同参画に関するトップマネジメント講演会を行っています。そのため学長からまず本学の男女参画推進に対する目標と現状を説明し、さらに今後もユネスコとの協力を継続したいとの意向を示しました。
 ボコバ事務局長からは、男女平等はユネスコの最優先方針の一つであり、社会への貢献としてもきわめて重要な政策であるとの説明がありました。その上で、日本が男女共同参画を推進するなかで、とりわけ神戸大学は学長のリーダーシップの下、男女共同参画推進室が設置され、精力的に活動を展開していることは大変喜ばしいことである旨を述べられました。

国際シンポジウム 講演

ボコバ氏

ユネスコ事務局長イリーナ・ボコバ氏 講演
Women and Science: New Frontiers, New Actors

 シンポジウムでは、まずボコバ事務局長により、次世紀に向けて私たちが解決しなければならない多くの重要問題、たとえば、衡平で持続的な成長、持続可能な開発、恒久的な平和などに関わる問題に対する答えを科学が与えてくれること、そして科学は男女共同参画を促す土台であり、科学分野において男女共同参画の教育が重要であることを最初に述べられました。しかしながら、実状は、教育課程が進むほど男女の格差が広がっていること、また地域間格差も大きいことが指摘されました。
 そのような中、ユネスコではロールモデルの提示とネットワークの構築によって女性の役割の強化を進めていること、具体的には、ロレアルユネスコ女性科学賞や、ユネスコチェアーの取組について報告されました。より多くの女性が科学を勉強し、科学を牽引していくことによって新しいアプローチが可能となり、持続可能な発展、より密接な関係を維持発展することのできる社会の構築が可能となります。既に神戸大学ではそうした取組に着手しており、学長のリーダーシップの下、男女共同参画推進室がその担い手となっていることが紹介されました。

Ingrid Scheffer氏

Ingrid Scheffer氏 講演
A woman's work is never done:
Balancing scientific excellence with life's challenges

 シェファー教授からは、米国やオーストラリアのような比較的前向きに男女共同参画を考えている社会でさえ、微妙な性差別により、ガラスの天井と言われる見えない壁で女性の昇進が妨げられているとの指摘がされました。その理由としては、性差別問題は過去のことだという認識が、現存する問題に対してのより積極的な是正策を阻んでいるからです。こうした認識にたった上で、最大限の成功を確実にするために、どのように女性のキャリア育成をする必要があるか、多忙な科学者のキャリアの中で、人生への全体的アプローチを可能にするバランス術について紹介されました。

Ingrid Scheffer氏

内海房子氏 講演
女性研究者に対する支援―国立女性教育会館の活動から

 内海房子氏からは、国立女性教育会館が、日本国内の女性のエンパワメントに尽力してきたこと、また、唯一の”National Center”として国際的窓口となると同時に、アジアの女性リーダー育成に貢献してきたことが紹介されました。さらに、企業で働く研究者の女性比率が7.7%と大学で働く女性研究者比率より低く、大学よりも企業で活躍する研究者が多い男性とは大きく異なる点が指摘されました。そのため、国立女性教育会館では、大学向けの「大学職員のための男女共同参画推進研修」に加え、企業向けにもNWECフォーラム (「男女共同参画のための研究と実践の交流推進フォーラム」) において、製造業における女性技術者支援の調査報告を行ったことが報告されました。また、理工系に進む女子が少ないことが日本の大きな問題であることを直視し、JSTからの委託事業である「女子中高生夏の学校」も毎年開催されています。

 各講演後の質疑応答では、講演者ご自身あるいはその出身国の女性がキャリアを積むためにいかに努力してきたかなど具体的なお話をしていただきました。

国際シンポジウム パネルディスカッション

国際シンポジウム2012
[パネリスト] 人間発達環境学研究科長 朴木佳緒留氏、工学研究科長 小川真人氏、
農学研究科長 内田一徳氏 自然科学系先端融合研究環長 野海正俊氏

 本学において科学技術人材育成費補助金女性研究者養成システム改革加速プログラム (加速プログラム) の対象の研究科の中ですでに採用を行っている以下の研究科長・環長によってパネルディスカッションを行いました。
 パネルディスカッションでは、加速プログラムが始まる前は女性教員を女性枠で採用することに対する不安があったことが率直に述べられました。しかし、実際に採用してみると、優秀な女性教員を採用することができたり、今までなかった教育課程を新たに設置できたり、研究室内の雰囲気がよくなったなどの意見が出され、また女性研究者がいて当たり前という認識が広がっているということも述べられました。いずれの研究科長、研究環長も、自然科学系の研究科においても30%ほどの女性教員がいるのが妥当ではないかという意見でした。もっとも、研究科内で対象女性教員をどのように受入れるか、位置づけるかなどの問題も残されており、また適当な人材をリクルートするためには母集団が一定の数以上でなければならないが、まだまだ女子院生が少なく、母集団も十分といえない状況であることも指摘されました。今後は、女子院生を増加し、母集団を大きくすること、男女ともに働きやすい職場にするために、保育所の設置など両立支援策の拡充を行う必要があることなど、取り組むべき課題が提示されました。

アンケートまとめ

アンケート結果はこちらから(PDF)