山口誓子記念館は、神戸大学百年記念館東側、大阪湾を一望できる絶好の位置にある数寄屋造りの建物です。

 当記念館は、近代俳句に大きな足跡を残した俳人、山口誓子の旧邸の母屋の一部をほぼ忠実に復元したものです。展示室には、誓子関連の資料や俳句俳諧関連の資料を展示し、国文学の研究に役立てる一方、伝統的な数寄屋造りに触れて日本文化を体験することができ、国内のみならず海外との学術交流にも貢献できるよう造られた施設です。

 誓子は、旧制三高、東京帝大の出身であり,神戸大学とは直接の縁はありません。しかし先に亡くなった波津女夫人の最も信頼していたご遺弟、故 末永山彦氏が神戸大学出身者で元学長の新野幸次郎とゼミの同窓であるなど、神戸大学と縁の深い関係であったことや、自身も西宮市在住であったことなどから、神戸大学が優れた俳句文学研究の場になりうることを見込み、誓子と波津女の預金、居宅敷地、著作権など遺産全てを神戸大学に寄附していただきました。この基金により、現在の山口誓子記念館と誓子・波津女俳句俳諧文庫は支えられています。

 


 

山口誓子記念館は、基金を元に2001年1月に完成しました。西宮市苦楽園にあった誓子の旧邸宅は、1995年1月の阪神淡路大震災で倒壊しました。その際に無事であった一部の建具を使って、当時の母屋の面影を残したまま、ほぼ忠実に復元して新たに記念館として建てられたものです。数寄屋造りの建物である当記念館は、文学博物館的施設であり、留学生や外国からのお客様が日本文化を体験できる場としての性格をもちます。茶の湯の施設などは旧誓子邸にはなかったものですが、そのような目的にそって付加されたものです。句会や茶会などに、教職員や学生だけではなく、市民の方々にもご利用いただけます。