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河野 桃さん 神戸大学経済学研究科修士2年

EESCでのインターンシップ体験記

 私は、2014年2月20日から同年3月20日までの一ヶ月間、EUの公的な諮問機関である欧州経済社会評議会(European Economic and Social Committee, EESC)のPresident's Cabinet (Office)にて、EUIJ 関西から奨学金を頂き、短期インターシップを行いました。
 EESCのメンバーは雇用者グループ、労働者グループ、様々な利益グループの3グループからなる市民の代表者からなっています。また分野別のセクションにも所属し、所属セクションの案件について、自分の所属グループの立場を代表する形で仕事を進めています。
 私が当インターンシップを志望した理由は、主に2点あり、1点目として、私がヨーロッパの高等教育について研究を進める中で、EUの政策をEU市民からの目線で考える機会が必要不可欠であり、またEUとEU市民との意思疎通の行われ方や双方の影響力について実状に即した理解を深めたいと強く感じていたこと、2点目は、欧州の国際機関で働くことに関する知識を得て、自身が希望する進路、すなわち日本と欧州が関わる場所で自分が学んだことを活かすという目標についての理解を深める絶好の機会になると考えたためです。
 実際にインターンシップを終えて感じることは、1ヶ月は短すぎる期間であったこと、フランス語が話せたならばより多くのことを吸収できたであろうと後悔する点はあるものの、自分が予想していたよりも多くの成果や学びの機会を得ることが出来ました。EESCで働いたからこそ気づけた事も多く、ネットワークもより広くより深くすることが出来、今後の研究や進路に大きく資する経験となりました。
 
【インターンシップの仕事と職場の雰囲気】
 受入れ部署と時期によってかなり異なります。主に2つの仕事が与えられました。一点目は、日欧連携の視点での高等教育に関するイベントの準備・運営でした。具体的には、発表者の履歴書をまとめること、報道関係者に向けてのイベントの告知などでした。二点目は、若者の雇用問題についての日欧比較のリサーチとその内容を担当部署で発表することでした。それに関連して、若者の雇用を専門とするEESCのメンバーの方や若者の職業訓練・雇用についてのスタディーグループ会議などにも参加させて頂きました。その他、インドとEUのFTA交渉についての簡単なリサーチ、Presidentの朝食ミーティングの出席、Presidentが出席するイベントの付き添いなど、EESCを知るための機会が多く与えられたと感じています。

 EESCの雰囲気は、部署によって様々でしょうが、良い意味でフランクな職場という印象を受けました。女性の比率や影響力も日本に比べて格段に大きく、私が所属したPresident's Officeでは約80%が女性でした。使用言語は、英語と仏語とされていますが、ブリュッセルでは主に仏語が話されるからか、全体的には英語よりも仏語がより頻繁に使われていた気がします。英語でも問題なく仕事は出来ましたが、EESCのことを最大限吸収するためには仏語が必要だったと思います。おかげで仏語を学ぶ大きなモチベーションを得ることが出来ました。
 またネガティブなことや反対意見もはっきりと言う環境でした。部下が上司にきっぱりと主張し、上司も部下の意見をしっかり聞いて、今後に繋げようとする姿勢が印象的でした。ミーティングでは担当と責任の所在がはっきりと示され、問題のシェアと解決のための今後のアクションがスピーディーに決定される様子に、密度重視の仕事に価値が置かれていると実感しました。さらにヨーロッパの人々が仕事を遂行する上で、ネットワークを広げることや深めることへの労力を惜しまないことを実感しました。意見を交して交流することが、他部署との連携を高めるほか、文化を越えた人々との仕事遂行の円滑化に繋がり、キャリアステップのチャンスにもなるということを感じました。
 ただ、仕事後に仕事仲間で飲みにいくという文化はあまりなく、多くの方は勤務時間のみで交流を行い、勤務後はプライベートを重視という姿が印象的でした。プライベートと仕事の両立について、「プライベートが充実すると仕事も充実する。だからプライベートを大切にする」という考えが根付いていることを肌で感じました。

【今後インターンシップを考えていらっしゃる方へ】
 「とりあえず挑戦してみる」ということはとても大切なことだと思っています。ただし、自分の現在の能力や将来の方向性を考えインターンシップに対する目的や目標を定めて臨めば、よりインターンシップは充実したものになると、自身の反省と実感も込めて強く感じています。
 EESCでは基本的にインターンシップ生の知識や経験を最大限活かそうとする空気を感じました。これはとても重要なことだと感じています。というのも、高等教育を享受する学生が増える一方で、学んだ知識を実社会で活かす機会や、訓練する機会は多いとはいえず、日欧どちらの地域でもスキルミスマッチングが深刻な課題となっています。よって、学生の知識やスキルを実社会で活かす訓練機会を増やし、その訓練の質を向上させることが肝要であると感じています。EESCでも実際にそのような点が強調されていました。また、学生として、学生側も積極的に自分が学問から学んだ知識や経験を活かす意識が必要であると感じました。

 インターンシップにおける目標の一つであった「自分が持つ知識と経験を最大限活かし、日本人としてEESCに貢献すること」の達成に大きく近づく事が出来ました。言語的・時間的不利がある状況で自分をいかに表現するかという課題に挑戦できたことは今後のキャリアや人生において大きな経験となりました。

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