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地域連携活動発表会

<農学研究科地域連携センターの活動>
発表者:農学研究科地域連携センター長・農学研究科教授 加古 敏之

農学研究科の地域連携センターでは農業、農村の現場をフィールドに、現場の問題の解決、解明を目指して、地域住民、行政、農業団体、農協などと連携して進めている。
地域連携センターの主な活動として、地域共同教育研究、地域交流活動及び相談・情報発信活動が挙げられる。

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一つの事例として、篠山市における地域連携活動について取り上げる。

篠山市には昨年11月にフィールドステーションを開設し、今年の4月に地域連携協定を締結した。そして2006年度から農林水産省からの研究助成で、篠山市を対象とした「ナレッジマネジメントを導入した地域コミュニティ再生手法の開発」に関する研究を実施している。さらに農業、農村フィールド実習や地域連携フォーラム、ワークショップも実施している。地域連携推進会議という協議機関を設け、篠山市長、副市長などを交えて、どのような地域連携を行うか、協議した。

篠山市との地域連携活動の目的は、第一に、連携研究の実施であり、篠山が直面する食糧、農業、農村問題の解決を目指している。第二にまちづくり、第三に人材養成、最後に産業振興のための連携である。平成19年度の地域連携活動の概要を図示すると、丁度逆ピラミッド型になる。一番上の層は交流とか地域貢献の活動である。地域連携のフォーラム開催、特産物を売る味祭りというイベントに教員、学生が参加した。さらに、次年度、本格的に実施する黒豆検定などの支援を行った。次の層は、教育面での連携であり、黒豆栽培の体験、修士課程の学生2人が篠山市を研究フィールドとした修士論文を作成した。さらに次の層の活動では、地域にある緑化組織とかまちづくり組織というものを支援し、関係する人材のイベントリーを進め、地域の組織が自立していくための支援をしている。最後の層として、地域が直面している重要課題について、教員と市の職員、農協、フィールドセンターの方々と一緒に共同研究を行っている。

地域連携フォーラムは、地域連携活動の共通の理解を進めようということで、7月に開催した。農村のフィールド実習では、実際の農村へ出かけていって、様々な技術を教わった。地域には「黒豆マイスター」や農林水産大臣賞を受賞した人などいい先生がいる。

ワークショップでは、実際に集落(桑原地区)を観察し、地域の課題を聞き、その後グループに分かれて、地域の課題を解決し、地域を活性化するための案を作る。それを住民の方の前で発表し、最後に評価をしていただいている。

その他篠山市における特産物作りに特化したまちづくりとして、丹波黒をテーマとしたイベント(味祭り、ふるさとまつり)を実施し、観光的な要素を活かした地域の活性化等、包括的なまちづくりに向けた活動も展開している。

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篠山市以外でも、地域連携センターが独自に行っている認定研究プロジェクトがある。教員から提出されたプロジェクト案の中から地域連携活動に相応しいものを認定プロジェクトとして地域連携センターが認定したもので、様々な連携活動を実施している。

連携プロジェクトの一つ、ファーマーズマーケット「旬菜倉」では売れ残りをどうするのかという研究がある。農業の担い手の減少では、新しく広域営農組合が立ち上がっているが、その実態と改善方策についても調査している。

また、兵庫県農林水産部と農学部との連携活動の位置づけのもと、「兵庫県農林水産行政論」という講義を、13回程度実施している。講義の後には、農村現場を視察し、2つの課題について、学生がワークショップを3回行い、最後に問題解決のための提案を、県の部課長の前で報告している。

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