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地域連携活動発表会

<自治体における取組み -灘区のまちづくり->
発表者:神戸市灘区役所まちづくり推進部・まちづくり推進課長 真[山鼻]和弘

灘区役所のまちづくり推進の立場から、大学との連携をどう考え、どのような連携を実際に行っているか説明する。
 灘区は人口が約12万8千人、区域は31平方キロメートル。奈良県橿原市、大阪府富田林市と同じ規模の政令指定都市の一つの区である。灘のまちは、山手の摩耶・六甲エリア、大学のある山手エリア、中央エリア、酒蔵等が昔からある浜手エリアに分けられる。65歳以上の高齢者の方が21%と、高齢化が進んでいる。
 灘区の特徴は「大学と学生のまち」でもあり、短大も含め、4大学、学生数が2万人を超えている。また、区民にとっては非常に住みやすく、愛着の強いまちでもある。

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 2006年、まちづくりについての現状と課題を踏まえ、区民と一緒に、「地域の力で創ろう!住みよい元気なまち・灘」を基本方針に4年後の灘区の姿の計画策定を行った。区民、地域団体、事業者、大学、行政がそれぞれ役割を果たしながら、「協働と参画」のもとに、「実践」していこうという計画である。

 その中の1つに「大学の力と地域との連携」がある。地域にとっては大学が持つ高度な知識や学生の自由な発想をまちづくりに活かしていきたいということである。大学にとっても社会貢献の機会、活動のフィールドということで、よい機会になるのではないかと考えている。これは、大学との連携事業の実施、大学生へのフィールドの提供、それから留学生との交流推進を、3つの柱とし、協定等を結びながら行っている。
 協定は、幅広い分野で大学と区が相互に協力するということで、包括的な協定を結んでいる。平成16年12月、政令指定都市の行政区としては初めて神戸大学と締結した。次いで、神戸海星女子学院大学、神戸松蔭女子学院大学と、区内全ての大学と協定を結んでいる。

 具体的には、すでに医学部保健学科地域連携センターの報告にもあったが、灘区旧庁舎等でサテライト施設「のびやかスペース あーち」の事業が行われている。また、文学部地域連携センターによる「篠原の昔と今」展が開催された。2006年10月には、神戸大学都市安全研究センターのオープンセンター事業として、灘区役所大会議室で、防災・減災に関する公開講座が開催された。
また、学生による活動も活発である。神戸大学の学生が中心となった、地域の方と一緒に地域の環境整備を行う「灘・まる洗いプロジェクト」もある。また、天文研究会サークルが中心となって、親子連れで星を見る企画も実施された。その他、水道筋商店街でのフェアトレードを行うサークルの空き店舗利用や、地域の方と一緒に地域合同パトロール等を行ってきている。
 このように、大学と連携しながら色々な事業を行ってきた。協定が契機となり、進められている事業がたくさんでてきたことは、本当に有難く思っている。

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今後灘区としては、活性化重点地域でもある水道筋商店街の活性化や六甲山・摩耶山の活性化に更に、大学のお力をお借りできればと考えている。また、どうすれば地域が住みやすくなるのかというところでも、皆様の知識、技術、行動力を、色んな切り口で教えていただき、今後も連携できれば有難いと思っている。神戸大学はまさに灘にある大学である。灘のまちを更に好きになっていただき、更に好きなまちにしていくという発想を持っていただければ、それが一番の力になるのではないかと考えている。

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